大暑も過ぎ、いよいよ、本当に夏本番・・・、と、何度言っているのだろう・・・、今年はすでに夏本番でしょ。
夏休みも始まって・・・、これから?これから本番?
長い夏だ・・・。
で、演奏会の本番は週末に無事に終わりました。
本番中は弾いているわけで、写真は撮れません。
これはリハーサル中の写真です。
今回の演奏会は盛りだくさんで、いろいろと「びっくり!」がいっぱいでした。
まずは下の写真です。
東京芸術劇場のパイプオルガンはモダンとクラシックの2面があり、曲により使い分けます。
普段は演奏会に行くと、その曲によってオルガンの面がすでに設置されています。
今回はこれを回転させて、両面を見せてくれて、音の違いも聴くことができました。
本番ではオーケストラのメンバーはこの部分では舞台から下がっているので、見られませんでしたが、リハーサル中にしっかり座席から拝見しました。
モダンオルガン、どうしてもバルタン星人に見えてしまうのは私だけ?
両手あげて、「ハァフッ~ハァフッ~」って言ってるでしょ。
とにかく、こんな貴重な体験、・・・多分演奏会本番中にオルガン面を変えるなんて、まずないでしょう・・・、が、できました。
そして、もう一つが、バグパイプ。
先日の通し稽古ではバグパイプ一人でしたが、7人の奏者による演奏でした。
本番衣装はスコットランドキルトで素晴らしい演奏でした。
檀ふみさんの司会も素晴らしく、楽しい演奏会となりました。
お暑いなか、お運びいただきましたお客様、また、演奏会をご一緒させていただきました皆様、どうもありがとうございます。
後半に混声合唱曲で「ふるさとの四季」というのがありました。
こちらは、日本の唱歌10曲ほどを四季の移ろいと共にメドレーに編曲されていて、最初と最後に「ふるさと」が使われています。
私にはいわゆる、ふるさと、というものがありません。
東京で生まれ、近郊の千葉県で育ち、祖父母の家を訪ねることはあっても、そこはいわゆる「おじいちゃまのおうち」で、私にとって「ふるさと」といえるものではありません。
更に、嫁いだこの地も実家のすぐそばで、育った彼の地はいまだ生活圏。
だから、ふるさとを思う気持ち、というのが、今ひとつ実感できなかったのです。
それが、海外生活で変わりました。
アメリカ生活の最初の頃はそんなことを思う間もなく過ぎ、気がつきませんでしたが、何かの折、多分、新年会で日本のテレビ放送受信を契約していた友達が録画してくれた「紅白歌合戦」を見ていた時のこと。
海外で生活している人へ、と、「ふるさと」が歌われたことがありました。
その時、初めて歌詞の意味がきちんと入ってきて、思わず涙してしまったのです。
その場にいた日本人客みんなで。
楽しいこともたくさんあった海外生活ですが、辛いこともありました。
多分、緊張がふっととぎれたのだと思います。
それ以来、「ふるさと」はダメなんです。
特に、今回は2011年3月21日に予定されていて、震災で中止となった演奏会の雪辱戦ですから、「ふるさと」の持つ力は強かった・・・。
アンコールで客席の皆さんに歌っていただいたときも、涙を拭いているお客様が見えてしまい、譜面がにじみました。
・・・、と、そんな、演奏会でした。
今回は合唱団のお手伝いでもありましたから、いつもの演奏会よりも緊張感が少なくて、その分、いろいろなことに気づいたのかもしれません。
でも、私たちも来ていただくお客様に喜んで、楽しんでいただけるような演奏会をお届けしたいなー、と、つくづく思った演奏会でした。
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