すっかり梅雨らしい景色。
そこに台風も加わり、盛夏前の助走といったところ。
鬼の霍乱で週のはじめに寝込んでしまったので、月曜日からそろりそろりと仕事をはじめ、あっという間に週末です。
毎年、この季節、あちらこちらの古傷が痛みます。
皆様、体調管理いかがでしょう?
でも、実はこの季節嫌いではありません。とにかく緑が綺麗ですよね。
あじさいや菖蒲など水に映える景色もほっとするものです。
先週のことですが、そんな梅雨空の浅草をお散歩しました。前から見学したかったAmuseMuseumへ行きました。
今年3月に亡くなられた田中忠三郎氏のコレクションの展示、「BORO」‐奇跡のテキスタイルアート‐、と、特別展、「~布を愛した人たちの知恵と美とデザイン~」を観てきました。
AmuseMuseumは、芸能プロダクションなど、エンターテイメント企業のあの株式会社アミューズのグループ施設として2009年に浅草寺二天門横に開館しました。
布文化を中心に故田中忠三郎氏が長年研究に携わった発掘品や収集品、無名の職人や一般女性の手仕事による美術工芸を紹介しています。
一番観てみたかったのが、この、産布です。
何代もつぎ当てられて、代々お産のときに使われた布です。圧巻です。
なんだか、涙が出そうになりました。
で、なんたってステキなのは、こちら、ほぼすべての展示品に撮影することと、直接触ることが許されています。体感できる美術館です。
これは大きな差がありますよね。ただ、見て「あーなるほど」と感じるのと、触れて、「・・・・あー・・・、なるほど・・・・」と感じるのとは。
見て納得できることが「布の形」だとしたら、触って得られる感覚はまさに「布の命」。
母になったことはないけれど、母になることの責任と喜びの一端に触れられたような・・・、わずかながら、そんな気がしました。
こんな、縄文時代の土器なんかにも触れちゃいます。
うーん、今日はどんぐりシチューで・・・、って?
もちろん、今私が生きているこの時代は好きです。
この時代しか知らないこの世の私はこれ以外の生活方法では生きてゆけないと思います。
物が豊富にあり、比較をして選ぶ喜びと、棄却の自由。
ただ、この生活文化に至るまでには、昔人の工夫と努力と創造性があったわけです。
何代にも伝えられる身近な文化が今私の回りにあるでしょうか?
きちんと生きようよ、と思った瞬間でした。
特別展のさしこ着物の数々も素晴らしいものでした。細かい手仕事の美しさ。
とても興味深く感じたのは、同じようなさしこ刺繍の柄をメキシコでもよく見たことです。
ひし形を組み合わせ、それらを装飾して並べる、といった柄は衣料やタペストリーなどでもたくさん見られます。
どういった関連なのでしょう?人知が行き着く工夫により偶然のなせる技か、もしくは何らかの形で大陸間を流通したのでしょうか。
機会があったら紐解いてみたいものです。
さらに、ボストン美術館に収蔵されている、幻の浮世絵「スポルディング・コレクション」をデジタル映像で解説してもらえる展示もあります。
屋上に行けば浅草の景色をぐるりと見渡せて、気持ちがよいこと。スカイツリーも近い!
(内緒なんですけれど、その日、屋上では現在日本でもっとも人気のあるグループの選挙結果2位のタレントさんが浴衣の撮影をしていました。かわいかった・・・。)
お腹がすいたので、老舗今半本店で美味しい牛肉料理に舌鼓。
そして、いつもの、締めは浅草演芸ホールで笑って笑って、人情話に涙も流して、また笑った夜でした。
大好きな「錦明竹」や「あくび指南」が聴けてうれしかったです。
いろいろ充電ができた午後でした。
そういえば、最近、放出過多だったかな・・・。
梅雨でうっとうしいとはいえ、瑞々しい景色と市井の文化歴史に触れて、「元気な夏へ準備中」の浅草散歩でした。
コメントをお書きください
Happy (土曜日, 22 6月 2013 06:13)
FBからこちらに飛びました。
お会いしないなぁ~と思っていたら、ステンドグラスの仕事をして(いたのですね。
多才なこと、素敵なステンドグラスこれから家を建てるならつくって欲しい!
Cフイットネスクラブ、田所さんもメンバーでお会いする機会あります。
伝えてなくては♪
はなぶさ日本屋 (火曜日, 25 6月 2013 20:55)
Happy様
コメントありがとうございます。
そうなんですよ…、今ステンドグラスが仕事になっているんです。
もともとメキシコで出会った民芸品つながりではじめたのですが、いろいろなご縁で、現在に至っています。
この歳になっても色々な出会いがあるもので…。
田所さん、懐かしい…、よろしくお伝えください。